工場の片隅で

何年もの間、黙って時を刻んできたこの時計
今朝出社した瞬間、僕を待ってたかのようにアラームが鳴りだした

誰かのいたづらなのか、アラームのスイッチを確認したが
もちろんアラームのスイッチはOFFのまま

スイッチをOFFにしても鳴り止まない

これは何かがおこる前ぶれか？

いいことなのか？悪いことなのか？

アラームのスイッチをガチャガチャ切り替えてみてもアラームは鳴り止まない
電池を外してみてもアラームは鳴り止むことは無い

黙って僕は時計を手に取り
黙ってその時計を工場の床にたたきつけた

僕は、何事も無かったように黙って朝の準備を始めた