車を買い換えることになった

最近の不況も手伝って軽自動車に乗り換えることになった
そのことを今日子供達に伝えた
５年間も乗って愛着のあるクルマだった
子供にとっても、もちろん私にとっても

伝えるのは辛かったけど大げさにならないように子供達に伝えた

子供達の反応は今にも泣き出さんばかりであった

「つぶれちゃったの？」
「もうあえないの？」

確かに普段からどんなものにも心がある、何でも粗末にしてはいけないよって教えてはいたが、子供達がこれほどクルマに対して思いを抱いていたとは知らなかった

子供達の優しさに心を打たれ、そのことをほほえましく思ったり誇りに思ったりさえした

しかし、あたらしいクルマはもう明日にはやってくるのだ

子供達を傷つけないように根気よく説得した
その夜は子供達がいつまでもその心を持ち続けるコトを願って寝かしつけた

納車される日、上の子供が手紙を持ってボクの所に来た

その手紙には
「いままで　いろんなところにつれてってくれて　ありがと
これからもげんきでね」

字の書けない下の子はクルマの絵を上のこの手紙の挿絵として描き加えていた

クルマは販売店に下取りされることが決まっていた
お店のヒトの迷惑になるかもと思いつつ子供達の手紙をクルマに忍ばせクルマとお別れをした

あたらしいクルマがやってきて私たち家族は久しぶりに少し遠くまで出かけた

それから何ヶ月かして、クルマから子供達へ手紙が届いた

「げんきにしてるかな？　ぼくはげんきにしてます
あなたたちとわかれたあと　ぼくは　あたらしいかぞくに　であいました
おとうさんと　おかあさんと　たろうくんの　３にんかぞくです
たろうくんは　まだまだちいさくて　あまえんぼうさんです
おおきくなったら　あなたたちのように　やさしいこに　なってもらいたいです
いつまでも　げんきでね」



読み終えた私は家を出て、クルマの下取りをお願いした店に直行してこう言った


「何でうちに手紙がくんねん？あんた達店の人間がうっとこの住所を他人に教えたとしか思えんねんけど？ちゃうんか？
個人情報をなんやと思ってんねん！」


恐ろしい個人情報のお話でした

もうひとつだね
すまぬ